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【現代アート】日本が世界に誇る現代アーティスト5選!

今回は芸術の中でも、特に日本で有名な「現代芸術家(現代アーティスト)」をご紹介していきます。

日本の美術といえば、みなさんの中には歌川広重や葛飾北斎、雪舟といった古き良き伝統美術を歴史の授業などで学んだ記憶を思い出す方もいるかもしれません。

しかしそれが同じ美術の中でも「現代アート」となると、「芸術が爆発しすぎてて意味がわからない」と感じたり、「どこが良いのかわからない」といった感想を持たれる方も多いかと思います。

現代アートとは簡単に言うと、美術史の原点である西洋美術を源流とし、今まさに私たちが生きている時代を作品のモチーフとした美術作品を指します。

西洋美術というとありのままの風景を切り取る写実的な作品を思い浮かべるかもしれませんが、現代アートはかならずしもそうではありません。

自身の思考や哲学をより反映したのが現代アートであるため、先にお伝えしたように作品の良さを理解するのが難しいという側面もあります。

しかしこの現代アートが持つある種の「曖昧さ」が、私たちオーディエンスにあらゆる解釈を可能とします。

今回は「芸術家」という大まかな括りから、さらに「現代芸術家」と時代をフォーカスしてコンテンツをお送りしていきます。

世界で活躍した実績もある日本人現代芸術家から、現代アートを楽しむコツを学んでいきましょう。

草間彌生

その眩いばかりのカラフルさから、写真を見れば一目で分かるほどの存在感を放つ草間彌生(くさまやよい)。

2016年に『TIME』誌の「世界で最も影響力のある100人」に日本人でただ一人ランクインするなど、日本を代表する世界的アーティストの一人です。

そんな草間の制作活動の原点は幼少期から悩まされてきた統合失調症。

幻視や幻聴にたびたび苛まれ、その苦しみから逃れるべく美術制作をスタートしたのです。

代名詞となった網目模様や水玉を強みに単身渡米し、体をダイナミックに用いるボディペインティングやハプニング・パフォーマンスで「クサマ・ハプニング」の異名を取ります。

また、鏡やネオンを用いた彫刻には「環境」を活かすというコンセプトがあり、美術制作を通じて反戦運動や世界平和への寄与にも力を注ぎ続けています。

1929年に生まれて現在もなお精力的に活動を続ける、日本を代表する前衛芸術家の一人だと言えるでしょう。

松山智一

続いてご紹介するのは幼少期の少年時代をアメリカで過ごし、かつ元プロのスノーボーダーというバックボーンをもつ松山智一(まつやまともかず)。

松山は元々生業としていたスノーボードを不慮の事故により断念した後、独学で現代美術を学びました。

制作する作品は絵画がその多くを占める一方で、彫刻やインスタレーションといった芸術的空間の創作も行っています。

そんな松山の作品にはアジアとヨーロッパ、古代と現代といった対比構造が多く見られるのが特徴的。

例えば西洋をモチーフとする作品を描く際には、必ず時代文脈を自分なりに再解釈して制作を行っています。

これは自身が日本で生まれながらも幼少期をアメリカで過ごした経験が大きく反映されていると言えます。

ロサンゼルス・カウンティ美術館、ドバイ首長国連邦などの世界中の収集家たちが松山の作品をコレクトするなど、世界的にも確固たるクオリティを持っていると言えるでしょう。

内藤礼

続いてご紹介するのは広島県出身の現代芸術家である内藤礼(ないとうれい)。

広島女学院中学校時代の美術の講義で、美術の持つ神秘性に魅せられた内藤は武蔵野美術大学へと進学し研鑽を重ねます。

そんな内藤のメインフィールドはどこか奥ゆかしく繊細な造形作品と、それを絶妙に配置し空間を鑑賞するインスタレーション作品。

「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」と常に自問自答し、空間・時間・自然・音など全てを巻き込むアートを手がけるのが内藤の作品の特徴です。

そんな内藤がヴェネツィア・ビエンナーレに作品を出品した際には、彼女自身によって設定された「1時間に鑑賞できるのは最大4人まで」という奇抜なレギュレーションが話題となりました。

その間内藤は作品内に1時間に1度は出入りをして、繊細なオブジェの位置や角度などを調整していたという逸話が残っています。

このヴェネツィア・ビエンナーレは内藤のキャリアを世界水準に押し上げた象徴的瞬間だったと言えるでしょう。

内藤の作品が織りなす静寂な世界は日本のみならず海外でも高い評価を受けています。

山口晃

次にご紹介していくのは現代美術家でありながら、現代浮世絵師としても名高い山口晃(やまぐちあきら)です。

東京芸術大学から同大修士課程を修了し、2001年には「岡本太郎記念現代芸術大賞」優秀賞を受賞し、2013年には作品『ヘンな日本美術史』で第12回小林秀雄賞を受賞するなど、

その実力は現代美術界からも折り紙付き。

山口は幼少期からアニメや漫画などのポップカルチャーに親しみ、絵を描くのが好きだったことが自身の創作活動の原点だと語ります。

そんな山口の創作スタイルは古美術や日本古来の大和絵に対し、これらの伝統美術を自らの世界観を基に油絵で再構築すること。

山口が衝撃を受けたという大和絵や浮世絵のタッチを思わせる創作技法は、作品内に人物の造形や景色を巧みかつ緻密に描き出します。

しかし必ずしも過去に囚われるのではなく、武士を馬やバイクに乗せた構図を描くなど、伝統と現代を融合させた部分が山口の作品のユニークさをより押し上げていると言えるでしょう。

そして山口は美術制作だけでなく書籍の装丁画や企業広告のポスター原画の依頼も受けるなど、活動の幅が広いことが特徴的。

例えば、山口が制作した成田空港の出発ロビーを彩る透視図は成田空港をモチーフに現在・過去・未来をミックスした地図になっています。

ペンを用いて細かく書き込まれた水彩画の原画は壁画風に仕上げられており、高さは3.8m、横幅3mにも及ぶ山口渾身の大作であると言えるでしょう。

中村政人

最後に、現代美術家として東京芸術大学で後進の指導も行なっている中村政人(なかむらまさと)を見ていきましょう。

ここまで見てきた現代芸術家と中村の最大の違いは、中村が誰よりも「美術」と「社会」のリンケージにこだわっているという点。

美術が社会に貢献する姿を見せることができれば、今後の美術界の発展にも繋がると考えた中村は「美術と社会・教育」をコンセプトとしたプロジェクトを数多く手がけてきました。

そんな中村が心血を注ぎこんで手がけてきたのは、美術と社会・コミュニティ・産業との繋がりを作品内に表象したインスタレーション作品や地域再生型の美術プロジェクト。

コンビニの看板やマクドナルドの「M」サインを作品化するなど、既成観念に囚われずに独自の切り口から構想を見出すスタイルは、まさに中村の持つ天賦の才を存分に活かせる創作方法でしょう。

まとめ:【現代アート】日本が世界に誇る現代アーティスト5選!

ここまで日本のみならず、海外でも高い評価を受けてきた現代アーティスト5人をご紹介してきました。

昨今のコロナ禍により海外に足を運んで美術作品を鑑賞する機会は激減したかと思いますが、日本国内でも世界レベルの作品を見れる機会は十分に用意されています。

そしてどこか難しいと感じてしまいがちな現代アートも、捉える視点を変えれば異なる切り口で作品世界を堪能することが可能です。

休みの日には、お近くの美術館やギャラリーで現代アートの魅力を味わってみませんか?