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森下泰輔
Taisuke Morishita solo exhibition

濃霧
The Dense Fog

8/18 thurs〜8/27 sat.2011
15:00〜20:00 Last day〜18:00
closed on Sunday


8月1日、福島第一原発で、1万ミリシーベルト毎時という高濃度の放射線が測定された。相変わらず放射線量は高い。幸い250km離れたここ東京では、水素爆発以後、放射線の値はいまのところ沈静化はしている。が、和牛汚染に見るように内部被曝の問題もあり予断を許さない。実際、東京電力の定点カメラを観測すると、地下汚染水が高熱で水蒸気化していると思われる霧をいまだ外部に放出し続けており、これには高濃度の放射線が含有されていると考えられる。
そんな状況下、森下は、現在しか不可能なサウンド・ライト・インスタレーションを消費が最も活発なエリア、秋葉原で行う。降り注ぐ原発からの放射線を使ってノイズを鳴らすという試みだ。ノイズはもともと無秩序なものに思われがちだが、その拡散パターンは放射線のそれと酷似している。

「70年代よりノイズを続けているが、当初から放射能の特質とノイズそのものの特性はよく似ていると考えている。どちらもカオスを100%は制御できない。物理学的には放射能とは原子核が崩壊して放射性粒子が解き放たれて外部に拡散していく状態だ。ビッグバンで生じた宇宙歴的なもので、実はこの世界そのものの本質的運動でもある。ウランなどは元来、安定性が弱いだけで、アインシュタイン的にはすべての物質(質量)は星が一瞬にしてすっ飛ぶような巨大なエネルギーに変換し得る。私はノイズを量子物理学的、同時にゲーデル的に捉えている。資本主義社会(物質至上主義的世界)は、不確定性をそもそも織り込んでいる放射能同様不安定なシステムだが、ノイズを研究することによって、この世界を考えようとしてきた。原発事故は、断片からそれが垣間見られた瞬間だと感じている」(森下泰輔)

霧も同時に発生させるが、コンセプトは「五里霧中」([後漢書張楷伝] 現在の状態がわからず、見通しや方針の全く立たないことのたとえ。心が迷って考えの定まらないことにもいう)。この中国の諺は日本の行く末を暗示している。
同インスタレーションは、同時に森下が一貫して主題としてきた高度資本主義社会の臨界を考えるものである。

森下泰輔 Taisuke Morishita
武蔵野美術大学造形学部卒業
1989
第2回ヨーロピアン・メディア・アート・フェスティバル(オスナブリュック ドイツ)インフェルメンタルとして出品
1992 
「Kusama Images」(草間弥生とのコラボレーション作品) 草月美術館(東京) 新潟県立美術館
2001 
第49回ヴェニス・ビエンナーレ関連企画「Poetry Bunker」(Direction by Marco Nereo Rotelli) 49.La Biennale di Vanezia Orsogrill at the Artiglierie (entarance via Arsenale Venis Italy)
2008 
「月 THE MOON」(高台寺 京都)
2010
平城遷都1300年祭公式招待展示「時空 Between time and space」(平城宮跡 奈良)

収蔵 ZKM(Center for Art & Media Technology カールスルーエ ドイツ)

noise関連履歴

武蔵野美大在学中、反安保芸術祭の際、バリケード内で今泉洋(現・武蔵野美術大学教授)らとインプロビゼーションを追求するアートロックバンドYELLOWを結成。
1972
故・間章プロデュース「新潟現代音楽祭」に出演、NHKで放送される。渋谷ジアンジアン、吉祥寺OZ、「Zerock」 ムサ美、オールナイト・レインボーショーなどで演奏。ジアンジアンでギターを破壊するパフォーマンスを行い、女友達だったユーミン(当時:荒井由実)より新しいギターをもらう。高中正義と赤坂でセッション。サディスティック・ミカ・バンドから入団要請を受けるも参加せず。この年、NHKのDJだった宇佐美純子に最も興味深いグループとして評価されたが、森下自身はサイケデリックからノイズに移行。
70年代裸のラリーズ、ロストアラーフ(高橋広行、灰野敬二)らと一時活動をともにする。
・公式に発売されているCDに、裸のラリーズ水谷孝とのセッションアルバム「ラリーズハウス・セッションat福生」(DEAD FLOWER)
・70年代のアンダーグラウンドロックを記録した「アンダーグラウンド・トラックス70's」(DEAD FLOWER)がある。
・非公式CD  「Back To Communist 」Variousアーティスト(2009年 イギリスで発売)
収録曲:Yellow 「Brother」「Watch Out! 」(1972年録音)、他の収録アーティスト:ブルース・クリエーショイン、高柳昌行とニューディレクション、ロストアラーフ、村八分など。
・非公式CD  「Japanese Red Army - Love Protest Poetry Of Japan -70s 」Variousアーティスト(2009年 イギリスで発売) 収録曲:森下泰輔「Shangri-La 」 (1974年録音)、他の収録アーティスト:ファー・アウト、エイプリル・フール、頭脳警察、Harum iなど。
1974 渡米。カリフォルニア州バークレー、UCLAやサンフランシスコ(ハイト・アシュベリー)に滞在。よりアート性、現代音楽性の強いアルバム「Abstract Muzic」を全てのパートをスタジオで自己レコーディングし発表。
主にギャラリーや野外で活動を継続しており、現在までパフォーマンスは100回を越える。
1975 クラフトワーク「アウトバーン」(フィリップスレコード)のライナーノーツ執筆。
1978 アシュラ「ニューエイジ・オブ・アース」(ヴァージン)のライナーノーツ執筆。 
1987 非常階段、ソルマニア、White Hospital、篠原蘭子とコラボしたビデオアート作品「Jane-Doe66」(ドイツZKMパーマネント収蔵作品)を発表。
1989 ビデオマガジン形式のビデオアート「DEMO001」で、ゲロゲリゲゲゲ、非常階段、草間弥生、有頂天、G-シュミット、北公次&スカーフェイス、宇自可伶とコラボレーション。
2006 NYにてフィリーと「New York is Dead」セッションを行う。
ビート系詩人トム・サヴェージのポエトリー・リーディングにノイズを絡めたセッションをNYで行う。
NYのノイズグループ「インフィニティSS」とブルックリンの現代音楽クラブBOUGALOOでセッション。
2008 初台DOORSにおいて灰野敬二やゼロ次元、菅間圭子、アーバンギャルド、増山麗奈、原将人、宇治晶、ダークサイド・ミラーズらとのコラボレーションギグ「初台現代音楽祭」を8回にわたり開催する。
2010 枝川Artists Actionにおいて「NOISEイムジン河」を発表。

美術評論家として 2001年ギャラリーステーション美術評論公募最優秀賞。「饗宴のあとで --リチャード・エステスと写真以降」


レセプションパーティ 8月20日(土)17:00〜 
菅間圭子パフォーマンス "Agua de Beber" 8月20日(土) 19:00〜
"Agua de Beber" 映像+ノイズ+アクション
本年4月イタリア・サルデ−ニャでおこなわれたvideo&performance festival、InterAzioni XXIV−Misteri al Femminile 出品作品。3・11のTsunamiおよび 原発事故をモチーフにした映像『After March 11』を背景に、よく知られたボサノバの名曲『Agua de Beber(日本語タイトル:おいしい水)』をノイズ化。今回の震災では'水'によって多くのものが破壊されたが、同時に我々の文明は'水'を汚した。ボサノバ『おいしい水』のけだるい甘さはオシャレな都会生活や海辺のリゾートを連想させるに充分だが、これらの"おいしい"生活は危険極まりない技術の上に成り立っている砂上の楼閣なのだ。

菅間圭子 Keiko Kamma
国内外のアート/パフォーマンスフェスティバルに多数参加。インスタレーション、映像、サウンド、写真、ペインティング、アクションなど、複合的なメディアで制作。平城遷都1300年祭における大規模な野外インスタレーションなど、歴史との関わりに言及した作品も多い
森下泰輔 
濃霧 The Dense Fog 
2011 
サイズ可変 
スモークマシン、LEDシート、ガイガーカウンター、ZOOMエフェクター、ギターアンプ、マイク、R-09、スピーカー、ストロボ、タングステン球、ワイヤー、アルキド樹脂塗料、合成樹脂、金属、音センサー、体感センサー、ブロワー、カッティングシート、DVD、液晶モニター、キャンバスにアクリル
森下泰輔 
濃霧 The Dense Fog 
2011 
サイズ可変 
スモークマシン、LEDシート、ガイガーカウンター、ZOOMエフェクター、ギターアンプ、マイク、R-09、スピーカー、ストロボ、タングステン球、ワイヤー、アルキド樹脂塗料、合成樹脂、金属、音センサー、体感センサー、ブロワー、カッティングシート、DVD、液晶モニター、キャンバスにアクリル
菅間圭子 
"Agua de Beber"より 
2011
映像、ノイズ、アクション(身体)
サルディーニャ(イタリア)
Photo:Paola Cao
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